愛知・亀崎港で延べ竿ハゼ釣り、イシゴカイに賭けた一日
久しぶりの延べ竿、亀崎港を選んだ理由
社会人になって遠ざかっていた釣りをもう一度
仕事が忙しくなって、いつの間にか竿を触らない年月が続いていた。学生の頃はブラックバスやアマゴを追いかけて川に通い、海ではグレやセイゴを狙ってあちこちの堤防に立っていたのに、社会人になってからはそれがすっかり途切れてしまった。今年、ようやく重い腰を上げて釣りを再開しようと決めたとき、最初に選んだのはルアーでもフライでもなく、延べ竿でのハゼ釣りだった。理由は単純で、道具立てが軽く、思い出しながらでも入りやすいからだ。ブランクがある状態で難しい釣りに挑むのは怖い。まずは体を動かす感覚を取り戻したかった。
車を停めやすく足場も安心な港だと下調べで知った
候補地を探すときにいくつかの情報を見て回った結果、愛知県の亀崎港が目に留まった。車を停めやすく、足場もしっかりしているという話がいくつも出てきて、久しぶりの釣行にはちょうどいいと感じた。ブランクのある身には、足場が悪い岩場よりも、多少歩きやすい港の方がありがたい。竿を出す前から気が楽になる場所を選ぶというのも、今回は大事な条件だった。
青イソメじゃなくイシゴカイを選んだわけ
餌屋さんで見た「ハゼにはこっちがいい」の一言
餌を買いに立ち寄った店で、いつもの癖で青イソメに手を伸ばしかけたら、店の人に「ハゼならこっちのイシゴカイのほうが向いてますよ」と声をかけられた。正直、青イソメばかり使ってきた自分には新鮮な一言だった。ハゼ相手なら細身で動きの良いイシゴカイが合うらしい。せっかくの再開初日だし、人の言葉に乗ってみるのも悪くないと思い、そのまま購入することにした。
実際に触ってみた感触とニオイの違い
パックを開けてすぐ感じたのは、青イソメよりも体が細く、ぬるっとした感触がやや控えめなことだった。ニオイも青イソメの生臭さに比べるとクセが少なく、指に残る感覚も軽い。針に刺すときも身が柔らかい分、扱いには少し気を使う。ちぎれやすい印象があって、最初のうちは力の入れ方に戸惑った。ただ、この繊細さがハゼへの誘いになるのだろうと想像しながら、仕掛けを準備した。
延べ竿一本、仕掛けはシンプルに現地へ
ウキ下の調整で最初の30分を費やした話
港に着いて竿を伸ばし、シンプルな延べ竿の仕掛けをセットしたものの、いきなり本調子とはいかなかった。ウキ下の長さが合わず、底を切ってしまったり、逆に根がかりしそうになったりを繰り返す。感覚を忘れているというのは、こういう地味な部分に出るものだと痛感した。最初の30分は釣果を追うよりも、竿とウキと自分の目の間隔を合わせ直す時間になった。焦らず調整できたのは、久しぶりでも延べ竿という手軽な仕掛けだったからだと思う。
足元の底の様子を探りながらポイントを絞る
ウキ下が決まってからは、足元の底の様子を探るように少しずつ場所を変えていった。砂地っぽいところ、石が混じるところ、藻が少し揺れているところ。ハゼは底に張り付くように潜んでいるイメージがあるので、極端に深いところより、浅めで変化のある底質を丁寧に探る方が性に合っている。実際に何度か場所を移動して、ウキの動きが変わる瞬間を探した。
小さなアタリを本命に変えるまで
空振り続きで気づいたイシゴカイの垂らし方
最初のうちはウキがピクピク動いても針に掛からず、空振りが続いた。イシゴカイをそのまま丸ごと刺していたのがよくなかったのかもしれないと思い、垂らしを短めにして、動きが目立つように調整してみた。すると、それまでよりも小さな反応が増えた気がした。ハゼは餌の存在感よりも、自然な揺れ方に反応しているのではないかと感じた場面だった。
ようやく乗った一匹、竿先が震えた瞬間
何度目かの微妙なアタリで、ウキがくっと沈んだ。焦らず少し待ってから軽く合わせると、竿先がキュンと震え、久しぶりの重みが手に伝わってきた。ハゼの引きは大きくはないけれど、その震え方には確かな生き物の存在感がある。上がってきた一匹を見たとき、社会人になってから離れていた時間を一瞬で忘れるような感覚になった。
帰り道で振り返る、亀崎港というフィールドの相性
延べ竿でも十分楽しめた理由を整理してみる
帰り道、車を走らせながら今日の釣りを振り返った。延べ竿という道具はシンプルだけれど、亀崎港のように足場が安定していて水深もそこまで極端でない場所だと、その手軽さがそのまま釣りやすさにつながる。ウキ下の調整や餌の付け方に集中できたのも、フィールド自体に余計な緊張を感じずに済んだからだと思う。道具と場所の相性というのは、こういう小さな一日で確かめるものなのだと改めて感じた。
次はもう少し数を伸ばしたいという小さな野心
一匹の重みを味わえたのは嬉しかったが、正直なところ、もう少し数を伸ばしたいという気持ちも残った。垂らしの長さや誘い方には、まだ試していない工夫がいくつもある気がする。次に亀崎港へ行くときは、今日の反省を踏まえて、もう一段階テンポの良い釣りができるようにしたい。久しぶりに再開した釣りだからこそ、次の一歩を焦らず、でも欲を持って積み重ねていきたいと思っている。

