仕事場すぐそばの川で昼休憩ナマズ探し、狙いはブラックバスだった
昼休憩60分、仕事場のビルを出てすぐ川に立つという贅沢
職場から歩いて行ける距離にこんな川があった
正直、最初は気づいていませんでした。毎日同じ道を通勤していたのに、ビルの裏手を少し回り込むとすぐ川があるなんて。ある日たまたま昼飯を買いに遠回りしたら、コンクリート護岸の向こうに流れが見えて、思わず二度見しました。仕事場からこんなに近い場所に川があるなら、これは使わない手はないなと。
昼休憩は60分。移動時間を差し引くと川にいられるのはせいぜい20分とか30分ですが、それでも十分でした。デスクで固まった体をほぐしがてら川に向かって歩くだけで、頭の中の仕事モードがすっと切り替わる感覚があるんですよね。
財布と一緒にロッドケースを持ち歩くようになった経緯
それからというもの、通勤バッグの中身が変わりました。財布、社員証、そしてコンパクトなロッドケース。最初は自分でも「さすがにやりすぎか」と思ったんですが、一度持って行って川を見た瞬間の高揚感を知ってしまうと、もう手放せません。
休日にまとまった時間を取って遠くの川や海に行くのも好きですが、平日の昼にほんの少しだけ竿を出せるというのは、また別の贅沢だなと感じています。
濁った流れの底にナマズの気配を探した数分間
水面に走る不穏な波紋を目で追いかける
川に着いてまずやることは、竿を出す前に水面をじっと見ることです。この川は濁りが強くて、底の様子はほとんど見えません。だからこそ、水面に走る波紋や、何かが動いた気配を目で追うしかない。ふっと不自然な波紋が立った瞬間、体が勝手に反応します。「今の、何かいたな」って。
ナマズは夜行性の印象が強い魚ですが、昼間でも物陰に潜んでいることがあるので、こういう濁った流れはむしろ好都合だと思っています。姿は見えなくても、気配だけは伝わってくる。そのわずかな手応えを拾いにいく数分間が、たまらなく好きなんです。
ナマズがいそうな物陰を仕事の合間に覚えておく癖
これがまた職業病というか、釣り人あるあるだと思うんですが、仕事中にふと窓の外を見ながら「あの橋脚の陰、ナマズいそうだな」なんて考えている自分がいます。昼休みに実際に足を運んで、その場所を確認する。これの繰り返しで、頭の中に川の地図みたいなものができあがっていくんですよね。
物陰、流れの緩いところ、護岸の切れ目。派手なポイントじゃなくても、こういう地味な場所を一つずつチェックしていく作業自体が、もう趣味の一部になっています。
結局リールを巻いていたのはブラックバス狙いのルアーだった
ナマズ用の準備からバス用のワームに切り替えた理由
今日はナマズ狙いのつもりで川に立ったんですが、実際にロッドケースから出したのはブラックバス用のワームでした。理由は単純で、限られた時間の中で手返しよく探れるのがワームだったからです。ナマズ狙いだとどうしても待ちの要素が強くなってしまって、60分の昼休みには不向きだなと。
一方でバス用のルアーなら、キャストして着水させて、ただ巻きなり軽くアクションをつけるなりで、テンポよく広範囲を探れます。短時間勝負にはこっちの方が合っている。現場で判断を切り替えるのも、平日の昼釣りらしいなと自分で思いました。
昼休みの川はブラックバスにとって良い時間帯なのか考える
巻きながらふと考えたんですが、日中のこの時間帯って、ブラックバスにとってどうなんだろうと。日差しが強い時間はシェード(日陰)に寄る傾向があると聞きますし、実際この川でも橋の下やオーバーハングした草の陰にキャストすると反応が良さそうな気配を感じました。あくまで感覚の話ですが、昼だからダメということはなく、狙う場所さえ絞れれば十分に可能性はあるなと思っています。
スーツ姿のまま竿を振るという、われながら滑稽な光景
通行人の視線と気にしないふりをする自分
スーツにネクタイ、革靴のまま川岸でロッドを振っている姿は、傍から見たらかなり異様だと思います。実際、犬の散歩をしている人や通行人がちらっとこちらを見ているのを感じますし、自分でも「これ、なかなかシュールだな」と苦笑いしています。
でも不思議なもので、数回やっているうちに視線を気にしなくなってくるんですよね。気にしないふりをしているうちに、本当に気にならなくなるというか。周りからどう見えるかより、目の前の川にどう向き合うかの方が、いつの間にか優先順位が上がっています。
短時間だからこそ集中できたキャストの精度
休日にのんびり釣りをしているときは、正直キャストが多少ずれても「まあいいか」で流してしまうことが多いんです。でも昼休みの限られた時間だと、そうはいきません。狙ったポイントにきっちり通さないと、その一投を無駄にしてしまう。
この緊張感が、逆にキャストの精度を上げてくれている気がします。橋脚のきわ、護岸のブロックの隙間、狙ったピンポイントにルアーを送り込む。時間が短いからこそ、一投一投に集中できる。これは平日昼釣りならではの発見でした。
昼休憩終了のアラームが鳴った瞬間の後ろ髪の引かれ方
結果はどうあれ川を見た満足感
スマホのアラームが鳴った瞬間、正直「えっ、もう」と声が出そうになります。まだやりたい、あと一投だけ、という気持ちを飲み込んで竿をたたむ。この後ろ髪を引かれる感じは、何度経験しても慣れません。
でも不思議と、釣れた釣れなかったに関わらず、川を見に来られたこと自体に満足している自分がいます。デスクの前だけで一日が終わるのと、途中で少しでも自然の中に身を置けるのとでは、午後の気分がまるで違うんですよね。
明日もまたこの川に来るだろうという予感
ロッドをケースにしまいながら、もう明日のことを考えています。今日反応が良さそうだったシェードのポイント、明日はもう少し粘ってみようかとか、そういえばあの物陰、まだ攻めきれていないなとか。
職場からこの距離に川があるという環境は、正直かなり恵まれていると思います。明日もまた、この川に来るだろうなという予感しかありません。

